地域貢献について

〜宇久島太陽光発電事業における地域貢献策について〜

 国が定めている特定有人国境離島は全国で71島あり、そのうち長崎県内における特定有人国境離島は40島で、宇久島もその一つです。
 国は、有人国境離島法を作り、離島の振興に力を注ごうとしていますが、その背景の一つが、尖閣諸島の魚釣島が無人島であり、我が国独自の施設がない事から中国との領有権争いが発生したことです。
改めて、国境離島の有人化と離島振興の重大性に気づかされ、我が国が領有権として主張出来る離島があればこそ領海権はもちろん排他的経済水域を国際的に認めさせる事が出来ることを認識させられました。
 その特定有人国境である宇久島を守る事は官民が協力して取り組んでいく必要があり、国をはじめとする行政機関の離島振興策に協力しながら民間企業として出来る事を積極的に実施し、宇久島の発展に寄与したいと考えています。

 現在、宇久島においては人口減少、高齢化、農林水産業の不振と担い手不足、本土との交通利便性の格差、医療・教育環境の立ち遅れなど解決しなければならない課題が見受けられます。私たちは、太陽光発電事業の推進をもって宇久島の皆さんと共に、我が国最大の太陽光発電施設のある離島振興のモデル島として、宇久島の未来を築きあげていきたいと考えており、私たちが出来る宇久島を守り、支援していく事業について、大きく6項目に区分して説明させていただきます。

 今後宇久島の皆様にご協力を頂き振興協議会を設立し、支援内容と予算の分配など具体化し、支援実現を目指したいと考えています。

宇久島みらいエネルギー合同会社
職務執行者 岸田 勇次郎

地域貢献策について

自然と生活の環境保全

■国立公園の自然保全

  • 公園区域におけるパネルの設置は原則しません。なお、設置する場合は国及び県の許認可が必要です。
  • 公園内の枯渇松の取り扱い(伐採)については、地元の要望があれば、国及び県、市と協議し認可が得られた場合は対応したいと思います。
  • 耕作放棄地や雑種地に宇久島の在来草花の植栽や休憩施設を設置したく、国と協議し許認可が得られたら実施したいと思います。

■枯渇した森林への植栽事業

  • 事業区域及び隣接する周辺において、許認可を得ながら松くい虫による枯れた樹林の伐採と、伐採後には椿の植栽などで、事業区域内の樹木数の減少を防ぐことを検討し、また椿が農業特産品に繋がるよう支援したいと思います。
  • 事業区域及び隣接する周辺以外の枯れた樹林が目立つところにおいて、防風林、防災林、防砂林など防災上必要なものについては、関係行政機関と協議の上植樹の支援など対応したいと思います。

■道路・水路などの整備支援

  • 事業区域及び隣接区域の道路(公衆用道路、農道、林道)については、県、市の採択を受けた道路改良等の補助事業における、地元負担を支援したいと思います。また将来、道路の改良補修工事等の要望を簡易化するために、公衆用道路、農道、林道の認定を支援したいと思います。
  • 事業区域及び隣接区域の水路(農業用水路、生活排水路)については、県、市の採択を受けた水路改良等の補助事業における、地元負担を支援したいと思います。また将来農業用水路の改良補修工事等の要望を簡易化するために、水路管理者が不明瞭な地区においては水利組合の確立化のための支援をしたいと思います。
  • 事業区域及び隣接区域以外の地区における県、市の補助事業による道路及び水路の改良、補修事業については、地元負担及び自己負担の50%を支援したいと思います。

■自然災害に対する支援

  • 事業区域内及びその周辺など事業による影響が見込まれる区域において、土砂災害を未然に防ぐためのしがら柵、調整池、沈殿池などを整備するとともに従来の田畑がもつ防災機能を保全したいと思います。また、発生した農地災害において採択された復旧工事の自己負担分に対する支援をしたいと思います。

■インフラ整備

  • 自然災害時、避難所として使用が考えられる各地区の集会所や福祉・医療施設に、停電時でも電源が確保できるよう蓄電池を設置したいと思います。 太陽光パネルを一部研究用として設置し、発電した電気を公共施設や街路灯、集会所の蓄電池の充電などに活用したいと思います。

経済活性化と安全安心な生活環境づくり

■観光振興支援

  • 宇久島の魅力である自然を活用してスポーツやサイクリングなど、体験型イベントを定期的に開催し、島外からの参加者に宇久島の魅力を伝え、関係行政機関と協力しながら観光客誘致とそれに伴う島内の物販促進を支援したいと思います。
  • 工事期間中は、事業者を中心に各種イベントの企画・運営をし、将来は宇久島の皆様に参加をいただきながら、官民挙げて島内外の若年層にアピールできる魅力あるイベントとするよう努力・支援したいと思います。

■特産品開発支援

  • 宇久島内の繁殖農家と島外の肥育農家との協業を図るなどし、宇久牛のブランド化に向け支援したいと思います。
  • 椿・オリーブなどの農産物また、海産物を中心とした宇久島の新たな特産品の開発と販路確保を支援したいと思います。

■街路灯の設置と防犯カメラの設置

  • 既に島民の方の協力を得て、2019年7月安全防犯等協議会を設立し、島民の安全安心を守る為、交通事故防止、防犯対策等の具体的な協議を進めています。
  • 交通事故防止と防犯対策として、増設する電柱を利用し、通学路や交差点等、夜間危険な場所に街路灯を設置するとともに、特に重要な場所には防犯カメラの設置を推進したいと思います。

農業畜産振興

■牧草購入支援

  • 畜産農家が飼育する宇久牛の飼料として必要な牧草購入費用のうち、半額を支援します。

■牛ふんの堆肥舎設置の支援

  • 牛ふんを受け入れ、堆肥化する施設の設置を支援したいと思います。

■椿の植樹と商品化

  • 観光閑散期である冬季に椿の花の名所として観光地化を目指し、椿油の6次産業化などを支援したいと思います。

■耕作地の保全

  • 農道や農業用水路等の農業施設の整備支援により耕作地の保全に努めたいと思います。

高速通信網の整備による医療・教育の環境整備

■高速通信網の導入による医療・教育の環境整備

  • 現在、宇久島ではインターネット閲覧や遠方の家族との動画による通話などに時間がかかります。海底ケーブルを利用して宇久島まで光ファイバー線を引き込み、通信環境の改善に貢献します。 このことで学校や塾などと繋いだオンライン学習、遠隔診療や在宅勤務などが可能となります。また、そうした通信サービスが受けられる施設づくりを支援したいと思います。

水産振興

■漁礁・藻場の増設による育成事業への支援

  • 豊かな藻場に恵まれていた宇久島の海も、近年磯焼け等により藻場の減少が目立っています。私たち事業者は、水産振興基金を創設し、行政の協力も得ながらアマモ育成による産卵環境の整備と大型藻場の増設あるいは最適な漁礁設置による稚貝・稚魚あるいはアワビ・ウニの育成水域づくりを図り、水産業の活性化を支援したいと思います。

■栽培漁業の推進への支援

  • 稚魚、稚貝のふ化・育成等に取り組むために宇久栽培漁業センターと連携・支援を図りながら宇久島水産業の活性化を支援したいと思います。

財政支援

  • 開発期間中も含め、事業期間にわたり地域振興の財源を売電収益から創出します。