発電効率を求めつつも周辺の景観形成に配慮。道路際や民家付近との事業区域周辺部にはツバキなどを植樹し、自然との調和を醸成します。
営農型発電設備の下では、営農会社が牧草を栽培、市場より安価に島内の畜産農家へ提供します。
傾斜地の多い宇久島では、自然の地形を活かしたパネルレイアウトを計画しています。
造成などを極力行わず、必要に応じて経年劣化により壊れた石垣や畔などを修繕し、パネルを設置する予定です。また周辺環境に配慮し、家屋や牛舎などの近隣にパネルを配置する際は、関係者と事前調整のうえパネル向きの調整や植樹などにより反射光を軽減させるなどの対策を行います。
なお雨水排水および土砂流出を低減させるため、パネル下は草地化して管理する予定です。
大浜海岸や城ケ岳園地など西海国立公園および宇久ダムには、パネルを設置しない計画です。
太陽光パネルで発電した電気を各パワーコンディショナーに集電、昇圧し、送電経路に送配電柱と道路埋設を用いて、小浜地区の交直変換所へ送電する計画です。
なお、景観に配慮し、鉄塔を使わず、送配電線柱には茶系色を採用。送電網の一部は地下埋設します。
パネルに設置されたパワーコンディショナー
発電設備から送られる電気は「交流送電」で送電されますが、交流送電は直流送電に比べ距離による送電ロスが大きいという特徴があります。
そのため宇久島~九州本土間の送電は、より送電ロスの少ない「直流送電」で行う必要があります。
発電した交流電気を直流電気に変換するための変電設備が「交直変換所」です。この交直変換所から海底ケーブルを繋ぎ送電を行います。
建設中の交直変換所
光ケーブルを内包した直径11.5㎝のケーブルと、光ケーブルを内包しない10.5㎝の2種類の海底ケーブルを使用する予定です。
海底ケーブルは電池のプラス極とマイナス極のように、電気が行き来する通り道として、一つの経路に2本のケーブルが必要です。
ケーブルの構造は右図のように、中心に直径3㎝程度の導体(電気が流れる部分)があり、その周囲を絶縁体や防護層などで覆い、漏電や断線を防ぐものです。
工区を6つに分けて工事を進める計画です。
現在、3工区の飯良地区から工事に着手しています。
工事の実施にあたっては、防災工・緑化工を実施した上で、その工事に着手します。