宇久島の風景

事業内容

事業内容

1. 目的

本事業は、人口減少と高齢化の著しい離島部において、既存の産業と共生しながら新たな産業を創出することを大きな目的としています。特に宇久島は特定有人国境離島に指定されており、その地域社会を維持することは、我が国の政策として非常に重要視されています。

そのような状況下で、私たちは地域の主要産業である農業(畜産業)や漁業と再生可能エネルギー事業の両立を島民の皆さまと一緒に目指しています。そのため事業区域の約20%を営農型太陽光発電とし、畜産飼料となる牧草の生産を行います。生産した牧草は島内の畜産農家に安価で提供させて頂くほか、地域農業の担い手たる若手農業者の育成や漁業に対しても様々な支援を行っていく予定です。

2. 概要

事業名

宇久島メガソーラー事業

建設地

長崎県佐世保市宇久島

概要

2017年に設立した「宇久島みらいエネルギー合同会社」に、複数企業が出資し、国内最大規模のメガソーラー施設を建設する計画です。

規模
  • 発電能力480MW
  • パネル
    設置面積
    約280ha※宇久島全土(約2,493ha)の約10分の1
  • 年間発電量51.5万MWh※一般家庭約17万3,000世帯相当
  • 総投資額約2,000億円
特色
  • 国内最大規模の発電能力
  • 太陽光発電パネル下で営農を行うソーラーシェアリング事業
  • 宇久島と本土との間に約64kmの海底ケーブルを敷設
  • 年間CO2削減量約27万4,750トン
  • 売電収入より毎年一定額を地元貢献のために支出

これまでの経緯

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    宇久島メガソーラー事業は、2012年に島民有志の方々が島の将来を憂い、日本のFIT制度(固定価格買取制度)の成立を受け、島の地権者から同意を取り付け、太陽光事業の誘致を開始しました。
    その結果、ドイツの大手発電事業者であるフォトボルト・ディベロップメント・パートナーズ社が誘致に応じ、同社の出資するTeraSol合同会社により、2013年にFIT認定を受け本事業が始動しました。
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    その後、島民の皆さまの熱意と取り組みの意義に共感した京セラ・九電工・東京センチュリーをはじめとする日本国内の大手企業が中心となり、2019年8月「宇久島みらいエネルギーホールディングス合同会社」を設立し、TeraSol合同会社より事業承継を受け、現在開発を進めているものです。
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    私たちは、宇久島内での雇用や経済効果を長期にわたり維持することを目的として、FIT制度における買取期間が終了した後も発電設備を適切に保守・管理し、FIT制度による固定買取期間終了後も発電事業の継続を目指しています。

体制

事業名宇久島メガソーラー事業

持株会社
宇久島みらいエネルギー
ホールディングス合同会社(2017年12月4日設立)

出資総額約500億円

出資会社(抜粋)
  • 京セラ(株)
  • 東京センチュリー(株)
  • 古河電気工業(株)
  • (株)九電工
  • SPCG Public Company Limited
↓
事業会社

発電の役割

発電事業を行う会社
宇久島みらいエネルギー
合同会社(2017年12月25日設立)
宇久島振興策を実施する会社
工事会社
(株)九電工
電気を買い取る会社
九州電力送配電(株)

地域共生の役割

地元調整を請け負う会社
宇久島総合開発(株)

地権者対応や地元調整を請け負う
宇久島住民による会社

土地管理及び営農会社
宇久島みらい土地管理
合同会社

土地を管理し
牧草の栽培をする会社

発電事業

発送電のしくみ

発送電の流れ
  1. 1
    ソーラーパネルで電気を発電
  2. 2
    発電した電気を各パワーコンディショナーに集電
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    パワーコンディショナーから送電用の電柱を使用して交直変換所へ送電(各ルートからの電気を集電)
  4. 4
    交直変換所で電流・電圧を調整し、「交流」の電気を「直流」に変換した上で海底ケーブルに接続
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    海底ケーブルで佐世保(相浦)へ通電
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    交直変換所で「直流」の電気を「交流」に変換し、電圧を昇圧し九州電力送配電の連系電圧に整合
  7. 7
    整合した電気を九州電力送配電の接続場所へ送電
  8. 8
    九州電力送配電へ売電された電気は電流・電圧を変えながら一般消費者へ配電

営農事業

宇久島の主要産業の一つである畜産業との共生を目指し、設備の一部に営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)を採用しています。
営農型パネル下では牧草を生産し、島内の畜産農家に市場より安価で販売します。

育成する牧草 イタリアングラス
耕作面積 最終的に約100ha(予定)

農型架台設置イメージ図

トラクターなどの営農機械がパネル下で作業する為、十分な高さを確保しています。

高さ 約2.7m
牧草の刈り取り
牧草の取りまとめ
牧草の運搬

太田江地区パネル先行設置エリアで、
牧草の生育環境をモニタリングしています

太田江地区パネル先行設置エリアでは、耕作している牧草(イタリアン・ジャイアント)の育成状況をモニタリングするため、九州大学と共同で、科学的データの取得を進めています。
具体的には、センサーを複数設置し、日射量、土壌温度、土壌の含水量、電気伝導度、水溶性塩類のデータを比較。2022年10月からのデータを基に、生育環境の分析などを続けています。

牧草の生育環境のモニタリングの様子

牧草の生育環境のモニタリングの様子